
寒い冬の夜の帰り道。
足早に家路に向かいながら、ふと夜空を見上げると大きなオリオン座が頭上に輝き、思わず立ち止まってしまったことがありませんか?
キンと冷えきった空気の中、白い息を吐きながら見あげると、中央にきちんと並んだ三つ星が夜空の入り口のように瞬き、今年も冬が来たことを静かに告げてくれます。
今夜のコラムは、私たちにとって最も身近な星座のひとつ、三つ星が冬を導く星座、オリオン座の魅力を物語とともにゆっくり巡っていきましょう。
毎年変わらず同じ場所に輝くオリオン座。
この星の並びが「特別な意味」をもつようになったのはいつからなのでしょうか?
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オリオン座の誕生
星座という文化は、紀元前3000年、メソポタミア文明の夜空から生まれました。
およそ五千年前の人々は、今のわたし達と同じように夜空を見上げ、散りばめられた星々を線でつなぎ、そこに物語を宿していったのです。
オリオン座の原型も、この頃にはすでに描かれていたと考えられています。
当時の星座は、「美しい夜空の模様」というだけの存在ではありませんでした。
季節の移り変わりを知らせ、川の氾濫の時期を予測し、畑に種をまくタイミングを教えてくれる。
人々の暮らしを支えるための《空のカレンダー》でした。
オリオン座が空に昇ることは、古代の人びとにとって、長い冬の先にある再生の季節への合図だったのかもしれません。
オリオン座の探し方
オリオン座が一番見つけやすいのは、冬の夜8時前後です。
12月から2月にかけて、夜空の暗さが深くなったころ、南の空に大きくその姿を現します。
月ごとのベストタイム🕰️
・12月 21時頃
・1月 20時頃(ベストシーズン)
・2月 19時頃
「冬の夜8時頃に南の空を見る」これを覚えておけば、初めてでもオリオン座を見つけやすくなります。
南の夜空を見上げて、まず探したいのが、横一列にすっと並んだ3つの星。
これがオリオン座の「三つ星」です。
明るい星が豊富な冬の夜空でも、とても目立ちます。
その三つ星が見つかったら、そこを起点にして、そっと視点を上下に。
すると星たちがつながって、砂時計のようなシルエットがふわりと浮かび上がるはずです。
その形が見えてきたら、それがオリオン座。
急がなくても、うまく見つけられなくても大丈夫ですよ。
夜空は、気づいた人からそっと教えてくれますから。

ルミリィが三つ星や星雲をそっと案内してくれるの〜✨
オリオン座を形作る星たち
ここまでは、オリオン座をひとつの形として眺めてきました。
けれど、その輪郭を支えているのは、性質も距離も、放つ光の色もすこしずつ違う星たちです。
同じ夜空に並んでいても、それぞれに個性と物語を秘めています。
ここからは、オリオン座を彩る星々の中でも、とくに印象深い星たちをご紹介しますね。
三星(さんせい)
オリオン座の腰のあたりに並ぶ、ベルトのような三つの星にも、それぞれ素敵な名前があります。
⭐️アルニタク (東の星・向かって左)
- 青白く輝くとても温かい星(青色超巨星)で、太陽よりもずっと大きくて明るい星です。
- 地球からの距離は、およそ1,000〜1,300光年。
- アルタニクのすぐそばには馬の頭のように見えることで知られる馬頭星雲があります。
2026年は午年なので今年ぴったりな星雲ですね✨ - 主星+近接伴星+離れた伴星からなる連星です。(推定距離がブレる原因のひとつ)
⭐️アルニラム (中央の星)
- この星は典型的な青色超巨星で、寿命が短く、三つ星の中でも絶対光度で一番明るい星です。
- 地球からの距離は、およそ2000光年。
- 太陽のおよそ30倍以上もの質量をもつ、大質量星です。
- アルニラムは、肉眼で見える星の中でもとても遠い星のひとつです。
それでもこんなに明るく見えるのは、この星が放つ光のエネルギーが、とても強く大きいからなのです。
⭐️ミンタカ (西の星・向かって右)
- 三つ星を見た時に、少しだけ一直線からずれて並んでいるように見えるのが特徴です。
- 地球からの距離は、およそ700〜1,000光年。
- ミンタカも見た目はひとつの星のようですが、実は 複数の星が重力でつながった連星系です。
星たちが互いの重力を感じ合いながら軌道をめぐることで、夜空ではひとつの光として輝いて見えているのです。
夜空では、まるで3つの星が仲良く同じ距離に並んでいるように見えるオリオンの三つ星。
けれど、立体で見てみると、距離も、明るさも、星の重さも、迎える最期の形も、すべてがまったく違う星たちなのです。
ベテルギウス
ベテルギウスは、夜空の中でもとても有名な恒星のひとつです。
オリオン座の右肩にあたる場所で、赤く温かな光を放っています。
- 表面温度が低めの恒星なので、赤やオレンジに近い色に見えます。
- 明るさの変化が大きい星(変光星)で、0等星から1.3等星あたりを行き来します。
明るさにゆらぎがある様子もベテルギウスならではの魅力のひとつです。 - 地球からの距離は、およそ600光年。
- ベテルギウス(オリオン座)、シリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)がつくる「冬の大三角」の一角としても知られています。
- この星は、いずれ※超新星爆発を迎える可能性がある赤色超巨星です。
とはいえ、爆発が起きても地球に直接の危険が及ぶことはありませんので、ご安心くださいね。(昼間に輝く星が見られるかもしれません⭐️)
ベテルギウスが迎えるかもしれない星の最期について、やさしくまとめた小さなコラムがあります。
よければ、そちらもいっしょに読んでみてくださいね。
※超新星爆発の解説コラムはこちら
ベラトリックス
- 青白い光が凛として美しい星で、名前は 「女戦士(ベラトリックス)」 を意味します。
- 地球からの距離は、およそ300光年。
- オリオンの右肩で赤く輝くベテルギウスとは対照的に、冷たい光まとい《もうひとつの肩》を作る星です。
- 主系列星から準巨星へと成長した、いわば中堅の星です。
強さと静けさをあわせ持つその光は、夜空の中で気高く立つ、女性戦士のような存在感を放っています。
リゲル
オリオン座の足元でいちばん明るく輝く星が、青白い光を放つリゲルです。
冬の夜空の中でも、とても目を引く存在です。
• 星の分類では青色超巨星にあたり、とても大きくて明るい星です。
• 地球からの距離は、およそ860光年。
• 肉眼では、ひとつの星に見えますが、実際には主星のリゲルAを中心とした連星系になっています。リゲルAの周りには、複数の伴星が重力で結びついていて、星の家族のようですね。
オリオン座を形づくる星々の中でも、とびきり明るくて力強い光。
その青白い輝きは、冬空の中でひときわ凛とした存在感を放っています。
オリオン大星雲
三つ星の下ににじむ淡い光。
それが オリオン大星雲。
星たちが静かに目を覚ます、ゆりかごのような場所です。
冬空のはるか彼方で、今日もひっそりと新しい光が生まれ続けています。
星がどのように生まれるのかは、原始星の目覚めの回でそっとお話ししていますので、
もし気になったら覗いてみてくださいね。
※原始星の誕生の解説コラムはこちら

三つ星と大星雲が、静かに夜を照らしています。
出典:Pixabay(Photo by astrometeo)
オリオンの中心で淡く輝くこの大星雲は、肉眼でもぼんやりと光の広がりを感じられますが、
双眼鏡でそっとのぞくと、その雲のような姿がふわりと立ち上がります。
冬の静けさの中で、星々が生まれるゆりかごを見つめているような、そんな特別な時間が訪れるのです。
もしスターゲイザーさんが、「もう一歩だけ、星空の奥へ踏み込んでみたいな」と感じてくださったなら、扱いやすくて軽い、夜空の相棒をひとつご紹介します。
お嬢さまとルミリィの星語り

若い星や終わりが近い星。
オリオン座の中には色んな個性の星があって、とても素敵ね。

本当にそうなの〜!全然違う星なのに素敵な形で、優しく冬の夜空を照らしてくれるの〜⭐️

そういえば、オリオンってどういう意味なのかしら?

ふふっ。お名前気になるのわかるの〜
あのねお嬢さま、オリオンにまつわる有名な神話があるの〜

オリオンにまつわる神話があるの?
ルミリィ、ぜひ聞かせてほしいわ

うん!!もちろんなの〜
今夜は2つの神話をお話するから聞いてほしいの〜⭐️
ギリシャ神話 狩人オリオンの物語
オリオン座には諸説ありますが、今夜は代表的な2つの神話をお届けします。
第一章 大地に現れたサソリと、季節のめぐり

神話イラスト。
星座に受け継がれた伝説の一場面です。
かつてオリオンという豪胆な狩人がいました。
ある日彼は誇らしげにこう言い放ちました。
「この大地に、私が倒せぬ獣などいないのだ」
この傲慢な言葉は、やがて大地の母ガイアの耳に届きます。
怒りを覚えたガイアは地を這うように静かで鋭い1匹のサソリを送り出しました。
勇猛果敢に闘っていたオリオンでしたが、サソリの毒針は素早く、ついに彼を大地に倒してしまいます。
すると神々は、オリオンとサソリを天へと引き上げ、星座として輝かせました。
夏にはサソリが夜を照らし、冬にはオリオンが空を支える季節へと移り変わっていく……
こうして2つの星座は、夜空で追いかけっこをするように、季節を分け合う存在になったのです。
第二章 アルテミスの矢と、星座になった狩人

見守るように寄り添う神話のワンシーン。
月と狩りの女神アルテミスにとって、オリオンは稀有な友であり、腕を競い合えるかけがえのない存在でした。
ふたりは森を駆け、海辺で笑い、月の下で弓矢を放ちながら、輝くような日々を過ごしていました。
けれど、その深い絆は、ときに美しく、同時に危ういものでもありました。
女神アルテミスの兄であるアポロンは、妹に近づくオリオンを快く思わず、嫉妬から恐ろしい企てを巡らせます。
ある日、アポロンは、遥かな海に小さく浮かぶ黒い影を指さし、アルテミスを挑発します。
「あれほどの遠くの標的に、矢を当てられるのかい?」
競争心を煽られたアルテミスは、迷いなく弓を引き絞ります。
その矢は月光のようにまっすぐ走り、遠い海に浮かぶ黒い影を貫きました。
しかし、その影こそ、海を泳ぐオリオンの頭だったのです。
アルテミスは自分の手で大切な友を射抜いてしまったことを嘆き悲しみました。
そして神々の王ゼウスに祈ります。
「どうか、彼を永遠に、わたしの目に届く場所へ……」
その切なる祈りに応えるように、オリオンは天高く大きな星座となり、月の女神アルテミスとともに冬の夜空で静かに輝いているのです。
ギリシャ神話のオススメのマンガはこちら |
ルミリィ食堂

ちょっぴりせつない神話のあとは……
ルミリィ食堂でお腹も心もあたためてほしいの〜

三つ星おにぎり
【材料(1人分)】
・ご飯 …… お茶碗大盛り1杯分
・石井のミートボール…… 3個
・塩…… 少々
・海苔……3 枚
1.ぎゅっと握るの〜⭐️
ご飯を3つに分けて、かわいい三角にぎゅーっと握るの〜。
(サランラップにお塩をふりふりしてから握るの〜。)
2.ポケットを作るの〜⭐️
おにぎりの表面の真ん中あたりをぎゅっと押してくぼませるの〜。
3.仕上げなの〜⭐️
ミートボールをおにぎりのくぼみに乗せて、海苔をまいたら完成なの〜。
アルテミスの満月スープ
【材料(1人分)】
・水…… 200ml
・コンソメ…… 小さじ1弱(2.5g 〜3g)
・ハーブソルト(無くても大丈夫)…… ひとふり
・カット野菜……ひとつかみ(キャベツ・にんじん・玉ねぎなどでOK)
・卵 …… 1つ
【作り方】
1.お野菜を煮るの〜⭐️
小鍋にお水200mlを入れて沸騰したら、お野菜を入れて中火でことこと4分煮るの〜。
2.味付けするの〜⭐️
お野菜が煮えてきたら、コンソメとハーブソルトを入れるの〜。
3.満月を作るの〜⭐️
そーっと卵を落とし入れて、白身が固まるまで弱火で2分ほど煮たら完成なの〜。
4.仕上げるの〜⭐️
お椀に、割らないように卵を入れて、お野菜とスープもそーっと注ぐの〜⭐️

並ぶかわいいごちそう。

おれは三つ星おにぎりにミートボール追加して
10つ星にしたいしぃ!!

かたるんみたいにカスタマイズして、
おいしく食べるのもステキなの〜⭐️
次回予告 全天一の明るい星 シリウスの輝きに魅せられて
最期までお読みいただきありがとうございます。
冬の星座シリーズの開幕の章、オリオン座はいかがでしたか?
新しい一年の夜空には、まだまだ出会っていただきたい星座が待っています。
次回は全天一の明るさを誇るスター⭐️ シリウスの魅力をお届けします。
どうぞ、2026年も星の旅をゆっくり楽しんでくださいね。

スターゲイザーさん。
2026年もルミリィたちと一緒に星の旅を続けていけたらとってもうれしいの〜⭐️

参考サイト
• Wikipedia・ NASAほかオリオン座に関する基本情報
参考文献
• 『宇宙ウォッチング 四季の星座と宇宙の不思議』/藤井 旭
• 『12星座の物語 〜ギリシャ神話〜』/平藤喜久子
•季節をめぐる 星座ものがたり 冬』/永田 美絵


